今回はダウ理論についてまとめました。
というのも、ダウ理論をたいそう無敵なチャート分析という感じで語り、高額な情報商材を販売しているアカウントを見つけたからです。
その情報商材、買ったわけではなのですが、そんな無敵なものが存在したら苦労しません。
何しろ、明日株が上がるか下がるかという短期での勝率は、百戦錬磨のプロであってもサルとほとんど変わらないと言われているからです。
(もちろん、長期でのファンダメンタルを組み合わせれば話は違います)
ダウ理論についてまとめたのは、
- チャート判断に有効
- ダウ理論を万能なものとして、高額な商材が売られているのを目にした
このような理由です。
ここに書いてあるのは、書籍などでも手に入る一般的なモノです。
ダウ理論は、今から100年以上前に、チャールズ・ダウさんが提唱した理論です。
- 株価はすべての事象を織り込む
- トレンドは、短期、中期、長期の3種類
- 主要なトレンドは3つの段階から形成される
- 平均は相互に確認される必要がある
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
この6項目です。
平均株価はすべての事象を織り込む
企業そのもの(ファンダメンタルなど)は、そんなにチョコチョコと変わるものではありません。
でも、株価は刻々と変化します。
これは、株価が
- 投資家の需給
- グローバルな経済状況
- 企業の業績やファンダメンタル
を織り込んで動いているということに他なりません。
全てを織り込んでの値動きなので、今後の予想含めチャート分析が重要だということです。
【好材料織り込み済みで、好決算で下がる株価】なんてのがその典型です。
トレンドは、短期、中期、長期の3種類
- 短期トレンドは日足
- 中期トレンドは週足
- 長期トレンドは月足や年足
で判断します。
同じ銘柄でも、日足と月足では違うチャートに見えることがあるくらい見える世界が違います。
たとえば、しばらく鳴かず飛ばずのくせに、下がり出したら止まらない!!クソ銘柄と思えるチャート。
これは、ごく短期の、3か月の日足のチャートです。
そして、同じものを月足の10年チャートにしてみます。
見える世界が全然違います。
素晴らしい銘柄です。
日足、週足、月足全てが上昇トレンドなら非常に強い銘柄ということが言えます。
当然です。
アメリカ株丸ごと買っちゃうインデックス(VTI)ですから。
何のことは無いです。
上のクソ銘柄風なのは、VTIのコロナショック時
下は、VTIの長期のチャートです。
長期で上昇トレンドなのだから、コロナショックの下落は絶好の買いポイントだったと言えます。(後付けですが・・・当然乗れませんでした。)
主要なトレンドは3つの段階から形成される
- 先行期
- 追随期
- 利食い期
先行期
- トレンドの発生は分からない
- 一部の投資家が底値で拾っている状態
- よほどファンダメンタルの知識が無ければINできない状態です
- 穏やかな上昇
追随期
- 先行期の上昇を見て、トレンドが発生したと思い次々に他の投資家が買い入れする時期
- 移動平均線を見て、短期線、中期線、長期線ともに上を向いているパーフェクトオーダーであれば、上昇トレンドの始まりと考えてINする
利食い期
- ここまでくると、明確な上昇トレンドになっています。
- 雑誌などでも取り上げられ、次々と買われ大きな上昇となります。
- が、束の間、先行期、追随期で仕込んだ投資家が利食いするので上値が重くなります。
- そして、上昇トレントが終了。
雑誌で取り上げられた【激アツ銘柄】に飛びつくと、高値掴みでやられるのはこのためです。
下記は、スターバルク(ばら積み船)の株価で、シクリカル株(景気循環)に分類される銘柄です。
景気が回復する前半には上昇するが、景気が全開になっているときには先行して下がることが特徴です。
それを知っている百戦錬磨の投資家が、コロナショック後の景気回復を見越して買いを入れてからの一連の流れが良く分かります。
利食い期にネットの掲示板で「ごちそうさまでした」とか見るとイラッとします。
お前なんかに誰がごちそうするか!!
利食いに成功しても、そのような言い方は止めましょう(笑)
平均は相互に確認される必要がある
- 市場平均(ダウやナスダック、日経平均、ロンドンFTSE、ドイツDAXなど)
- ドル円
- 資源価格
- 債権利回り
これらは相関して動いており、トレンドを確認する手掛かりになる
モーサテなどで、色々な指数を毎朝報道するのはこのためです。
ハイパーグロース株は、米国10年債利回りと相関関係が強い
などは、その典型です。
トレンドは出来高でも確認されなければならない
株価の値動きだけを見ていませんか?
株価が動いても、その時に出来高が少なければ意味はありません。
よく、下降トレンドで下がっていく株も、一時的に上昇して「おっ!」てなるじゃん。
それで、損切をしないと、そのあとまたダラダラ下がっていくことありませんか?
一時的に上昇した時の出来高は、そのほかの下落の時と比較して出来高が少ないことが多いです。
この場合、
- 上昇は出来高が少なく意味が無い
- 下落は出来高が多く意味がある
となっていて、下降トレンドということになります。
逆に、今までの上値抵抗線(レジスタンス)を突き抜けて上がったときに出来高が大きければそれは意味があります。
上値抵抗線が、下値のサポートに変わった瞬間で、上昇トレンドが開始された可能性があります。
(サポレジ転換)
トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する
上昇トレンド:安値割らず(出来高は少ない)に高値を超える(出来高が多い)
上昇トレンドであっても株価は一直線に上がることは少なく、うねうね上下しながら上昇します。
そのときに、【安値割らずに高値を超える】状態を維持していれば上昇トレンド継続といえます。
逆に、直近の安値を割り込んでしまった場合は、上昇トレンドが崩れたと判断する材料になります。(明確なシグナル)
下降トレンドはその逆です
下降トレンド:高値越えず(この時の上昇は出来高が少ない)に安値割る(この時の下落は出来高が多い)
言葉にすると難しいですが、チャートのカタチで覚えてしまえば簡単です。
チャート分析の補足
チャート分析で最も大切なのは、それはみんなが見ているシグナルかどうかということです。
チャートを見て、高値越えずに安値割っていたら、多くの人が【下降トレンド】と判断します。
すると、チャートの自己実現が起こります。
チャートの自己実現
ファンダメンタルの変化よりも影響力を増して、下降が始まることが多いです。
みんなが意識している理論なので、ダウ理論が効きやすいと言えます。
最後に
チャート分析にはいろいろな手法があり、テクニカル分析を全くかじったことが無い人にしてみれば、
- ボリンジャーバンド
- 一目均衡法
などのチャートを見せられ説明されると、すごくもっともらしく見えます。
一目均衡表や、ボリンジャーバンドで明確なシグナルが出ていても、ファンダメンタルの要因で一気に吹っ飛ぶのは日常茶飯事です。
そこで、
ダウ理論と言われると、難しいが、極めれば無敵な理論なのかと思ってしまいます。
でも、あくまでも株価はすべてを織り込んで動くものなので、チャート分析だけで成果を得ることは難しいということです。
このチャート分析方法をマスターしたら、爆益
このような情報商材に飛びつかないよう注意しましょう。